風の谷幼稚園 ~ 自ら考える力を養う

園バス無し。延長保育無し。毎日お弁当。

この一見時代の流れに逆行しているような幼稚園。でも、遠方から通ってくる親子や、この幼稚園に通う為に近くに引越してくる親子も沢山います。その魅力は何処にあるのか。風の谷幼稚園を卒園し、現在高校3年生の松原大成君に聞いてみました。

あなたにとって風の谷幼稚は、現在の自分にどのような影響を与えていますか?

風の谷幼稚園という場所は、今の自分を作ってくれた場所です。この幼稚園で学んだことは沢山あります。しかし、全ては書ききれないので、最も印象強い二つを書きます。

まず、一つ目は あきらめない ということです。この風の谷幼稚園では、色々なものを自分の手で工作したり、畑へ行って自分の力で芋を掘ったりします。木を使ってトラックを作ったことがあります。基本的な作業は先生達が丁寧に教えてくれますが、どんなトラックを作るのか、どうやったら上手くいくのか、デザインはどうするのかは自分達で考えます。たとえ分からなくなっても、先生達は少しアドバイスをするだけで、特に手伝うということはしません。

なぜなら、手伝ってしまえば、自分で考えるということができなくなってしまうし、先生が手伝ってくれると分かれば、すぐに諦めてしまうからです。自分も覚えてはいませんが、どういうトラックを作ろうか試行錯誤していったと思います。こういったあきらめない心というのは、今、現在も現れています。自分は、小、中、高と野球をやってきました。練習がつらく上達しない技術に納得いかず、やめたいと思う時期もありました。しかし、自分の中でなんとなく諦めたくない、最後までやり切りたいという気持ちがありました。また、自分の好きな言葉に「やればできると思えばできる」という言葉があります。これは天野先生の言葉です。自分は、この18年間くじけそうになった時、必ずこの言葉が頭にあり、くじけそうな自分を救ってくれました。そのおかげで中学の時、野球では主将でレギュラーになる事もできました。たとえ、幼稚園に通っていた時のことを忘れていても、体はしっかり覚えているんだなと思いました。芋堀り(注1)の時も絶対にもって帰ろうとする姿勢。たとえ重くてつらくて、泣きながらでも絶対にリュックを下ろさなかったという過去は、自分でははっきり覚えていませんが、あれがあったからこそ、あきらめない自分がいると思います。

二つ目は、人や物を大切にするということです。幼稚園の時、毎日のように遊んでいたのは、こま、あやとりだと覚えています。この遊んでいたこま、あやとりは幼稚園のものではなく自分達一人一人に一個ずつありました。ある子は、かっこいい絵のかいてあるこま。ある子は色を綺麗に塗ったこま。一人一人個性のあるものでした。

あやとりは、鳥組(注2)の時に先生が作ってくれたものです。こまもあやとりも一人一個ずつしかありません。だから先生は言います。たとえこまが壊れたとしても、あやとりが切れてしまっても、もう一個あげることはないよ、と。これを聞き、自分も大切に大切に使っていました。こまに関しては、ひももよれよれで、こま自体もきずだらけになりました。それでも、大切に使っています。そして、こまは幼稚園での新年会で今でも使っています。

また、人とのつながりというものも教わりました。男女関係なく、悪いことは悪い、良いことは良いということを言い合える仲間でした。しっかり、良い悪いを言う。自分の意見を言うのがこの幼稚園の教えです。このおかげで、自分は小、中、高と担任の先生から通知表の所見欄で「いつも笑顔で男女関係なく分け隔てなく人と接する優しい子」だと、いわれ続けてきました。この環境で共に過ごした仲間というのは、長く続くものです。今でも幼稚園の同級生と遊んだり、会話したりします。同級生の人の全員を覚えています。多分こんなことは、他の幼稚園ではないと思います。今の高校の同級生に風の谷の子がいます。お互いに同じ幼稚園だったことを覚えていましたし、周りの子に「同じ幼稚園だったよ」言うと、非常に驚かれます。

まだまだこの幼稚園で学んだことはたくさんありますが、本当にここで学んだこととというのは18歳になった今でも活かしています。他の幼稚園や保育園に通った子にとっては覚えていない3年間かもしれませんが、風の谷卒園生にとっては、たとえ覚えていなくても意味のある3年間だったと思います。誇りのもてる幼稚園です。

(注1)風の谷幼稚園の芋掘りは、「好きなだけ芋を掘っていい。その代わり自分で掘った芋は責任をもってどんなに重くても園まで背負って持って帰る」という約束事があります。子どもにとっては結構な距離の山道を歩いて帰ります。毎回、そこにも様々なドラマがあります。

(注2)風の谷幼稚園では、年中を鳥組と呼んでいます。

風の谷幼稚園 川崎市麻生区片平1510

 

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